人気のクロックス社製の子供用サンダル。エスカレーター事故で注意喚起のチラシも
人気の樹脂製サンダルを履いた子供らが、エスカレーターのすき間に足を挟まれる事故が相次いでいる問題で、経済産業省は、サンダルの素材や構造が他の履物に比べて挟まれやすいことが主な原因であるとの結論を出した。
経産省は18日午後、メーカー名を公表して消費者に注意喚起する。経産省は、国内メーカーだけでなく、大半を製造する海外のメーカーにも国内の販売会社を通じ、設計の変更を含む改良を求める指導を行う方針だ。
経産省によると、昨年5~11月の間、東京や福岡など13都府県で、サンダルのつま先などが、エスカレーターの踏み台と側面との数ミリのすき間に挟まれる事故が計65件起き、足の指を折るなど計17人がけがを負った。大半は1~10歳の子どもで、ステップで立つことが禁じられた黄色の枠の部分に乗ったとみられる。
経産省が同種のサンダルの大半を製造する米国の靴メーカー「クロックス」に海外での被害状況を問い合わせたところ、米国でも約40件が発生していた。ほかに欧州、アフリカなど少なくとも12の国・地域で事故があったことも判明した。
被害の広がりを受け、消費者使用製品の安全性を分析する製品評価技術基盤機構(東京・渋谷区)が、流通量の多い7社のサンダルを実際にエスカレーターを使って実験したところ、うち6社の製品で挟まれることを確認した。素材がポリエチレン主体で、長靴や運動靴と比べて柔らかく滑りにくいうえ、よく伸縮するため、すき間に挟まれた後に足が抜けにくいことも明らかになった。
経産省は同機構からの報告を受け、安全性に問題があり、素材変更など抜本的な改良が不可欠と判断。日本国内の販売会社を通してクロックスなどのメーカーに対し、早急に再発防止策を取るよう、近く指導する。
「クロックス・エイジア・プライベート・リミテッド」(本社・シンガポール)日本支社は、「販売中止はしないが、米国の本社と連携し、安全を最優先に考えた製品開発をしたい」としている。
(2008年4月18日14時32分 読売新聞)
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