2007年8月28日

(事故・回収)ライオン、氷殺スプレーを自主回収、引火の恐れ

keyword: 人身事故、自主回収、販売中止、消費生活用製品安全法、可燃ガス

title: ライオン:氷殺スプレーを自主回収 引火の恐れ

ライオンは27日、3月6日に発売しヒット商品となっていた殺虫スプレー「バルサン氷殺ジェット」を自主回収すると発表した。ガスレンジなど火気のある場所で使うと、噴射剤に引火することがあり、顔面やけどを負う火災などの事故が22日までに20件発生したため。「飛ぶ虫」用と「這(は)う虫」用に販売した325万本すべてが回収対象で、同社はこの商品の販売中止を決めた。

引火事故の報告は5月24日以降にあり、消費生活用製品安全法に基づく重大事故2件を経済産業省に届け出た。このうち6月24日には、東京都内の18歳男性が浴室で使用後、風呂釜に点火して引火し、網戸が焼ける火災で全身やけどを負い入院した。

「氷殺ジェット」は冷却剤を害虫に吹き付けてマイナス40度に急速冷却し、凍らせて駆除する新タイプの殺虫スプレー。殺虫成分を使っておらず、乳幼児やペットのいる家庭、飲食店、食品工場で安心して使えると人気を呼び、発売2カ月で年間販売計画の2倍にあたる200万本を売った。

噴射剤には可燃性のLPガスを使用。ヘアケア用品にも広く使われているガスだが、ライオンは「凍らせるスプレーなので火気に対する危険性の認識が薄く、連続使用で換気が不十分になる例があった」と説明している。製品には火気や換気についての注意書きがあったが、重大事故の発生で回収を決めた。問い合わせはお客様相談室で、電話は0120・670・225。【小島昇】

◇コンロ近くで使用、2人軽いやけど

27日午後7時半ごろ、堺市中区東山、会社員、海野敬幸さん(27)方の台所付近から出火、網戸1枚などが焼け、妻(26)と次女(2)が軽いやけどを負った。大阪府警堺南署などの調べでは、出火当時、妻はコンロの火をつけたまま、ライオンの殺虫スプレー「バルサン氷殺ジェット」を使用し、引火したという。

毎日新聞 2007年8月27日 20時22分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070828k0000m040078000c.html

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